潜在的な有病率の推定方法

疫学 統計

以前,真の潜在的な有病率について紹介しましたが,どのような関係があるかについて掘り下げてみます.感度,特異度,検査陽性率(正確には,検査人数と陽性者数)が得られたもとでは,潜在的な有病率が推定が可能になります.

まず,検査の陽性/陰性と,感染の有無について分割して,それぞれの確率を表示すると,下記のようになります.

感染あり
(Infection)
感染なし
(No Infection)
検査陽性(Positive)PP,IPP,NI
検査陰性(Negative)PN,IPN,NI


ここで,

感度sensitivityを\( Prob (P\mid I) \),

特異度specificityを \( Prob (N\mid NI) \),

検査陽性になる確率Ppositiveを\( \pi \)と置くと,

今,推定したい感染の有病率(prevalence)は,

$$ \pi =Prev \times Prob (P\mid I) + (1-Prev) \times (1-Prob (N\mid NI)) $$

なので,これをPrevについて変形して,

$$ Prev=\frac{ \pi -(1-Prob (N\mid NI))}{Prob (P\mid I)-(1-Prob (N\mid NI))} $$

が得られます.

これは,感度と特異度があらかじめ定められた条件下では,検査陽性となる確率\( \pi \)を線形変換したものになっています.

よって,Prevの推定を考える際も,単にこの線形変換を適用すればよいのです.

Rで実装した関数はこちら

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