統計検定準1級合格のために勉強したこと,良かったこと

統計

この記事を書くにあたり,統計検定公式HPの合格者の声を見ました.

結構いいこと書いてあると思うので,そこの情報も参考にしてくださいね.

今年度は準1級の試験は実施されませんが,実際に準1級を勉強・合格してみて,この程度勉強したら合格圏に到達できるんだろうな,ってのが掴めたつもりなので,今後受験される方のために情報共有したいと思います.

試験時間・問題の構成

準1級は

  • 選択肢問題が25問くらい(大問8つくらい)
  • プチ記述問題が10問前後(大問5つくらい)
  • ちゃんとした記述問題が大問1つ(選択式)

試験時間は120分です.

選択肢問題とプチ記述問題を3分,記述問題を15分くらいで解く要領だと思います.

しかも数理統計ばかり聞かれる1級と異なり,主成分分析,平滑化(ノンパラメトリック法),機械学習,グラフィカルモデルなど求められる範囲は広いと思います.

はっきり言って鬼畜です.

ただ,勉強していくうちに気づいたのですが,選択肢問題で求められている知識の深さはそこまでなのかな,と思いました.

おすすめ参考書・問題集

統計検定 1級・準1級 公式問題集

  • 準1級は過去問対策が非常に大事です.(2019年度の過去問はこちら
  • とにかく質や量のクセがすごいので,まずは過去の問題と解説を見て,雰囲気を掴むようにするのがいいと思います.
  • 準1級の問題,解説が2年分しか収録されていないのがデメリット
  • それでも解説がないと対策できないので購入をお勧めします

日本統計学会公式認定 統計検定1級対応 統計学

  • 過去問を解いたり研究したりするときに,解説だけでは理解できないところもたくさんあるのではないかと思います.アマゾンでの評価はあまり良くない(?)みたいですが,過去問のお供として自分は重宝していました.

ただ,これは自分が勉強したときの話で今なら下の本がいいかもしれません.

日本統計学会公式認定 統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック

  • 準1級の勉強のお供として,今年新たに出版された本です.章を見る限り革命的な本じゃないかなと思います.
  • 正直自分は経済系をベースにした時系列解析とか全く解けなくて,代わりに生物統計系の問題をほぼ完答して合格できたと思っているのですが,この本があれば,もっと楽に対策できたのではないかと思います.
  • 1級の勉強にも使える,統計検定関係なく使える,的なコメントもあったので,自分も買ってみたいなー,っと.
  • また買ったら感想を追加で述べたいと思います.

確率と統計

  • 準1級の範囲は幅広いですが,ある程度数理統計ができないと厳しい戦いになると思います.ほかの本でも大丈夫だと思いますが,私はこの本で勉強しました.
  • とくに7章「標本と統計的推測」8章「点推定」10章「区間推定」11章「検定」あたりはストーリーも大事なので,そこは重点的に勉強する感じがいいかと思います.

上記をやれば十分だと思いますが,機械学習が不安な人は,

機械学習図鑑

  • 入門用の本で,イラストが多めです.
  • パラパラ眺めて概要を掴むのに使えると思います!

統計的学習の基礎 ―データマイニング・推論・予測

  • 分厚い本ですが,機械学習を網羅的に説明してある本です.
  • 個々のページは説明がわかりやすく,辞書的な感じでも使えます.
  • 価格がとても高い(1万5000円…)のがデメリットかもしれないです.
  • これは自分も買うのは躊躇って,研究室の本でパラパラ見てました.

あと,生物統計の問題をもっとやりたい人の場合は,

医学への統計学

  • 研究デザインの話,交絡因子,多重比較,生存時間解析,症例数設計など,生物統計でよくあるテーマについてしっかり書かれてあります.
  • 数式も多いですが,実例ベースに書かれているので,読みやすいです.
  • 辞書的に使うもよし,最初から読んでいくのもどっちもありです!

勉強法として意識したこと

まずは,過去問題集2年分を解いて傾向を知りました.

頻出の典型問題がいくつかありそうだったので,取りこぼししないように心がけました.

具体的には,

  • 症例数設計
  • マルコフ連鎖
  • 2つの正規分布の混合モデル
  • L1, L2正則化
  • 主成分分析

あたりはきっと毎年聞かれるので,問題が解けるだけで満足するのではなく,短時間で確実に回答できるように計算スピードや処理を早くする工夫をした方がいいと思いました.(結果的に他の問題にかける時間が増えます

その後は,理解できていない分野を中心に上記の参考書などを調べて,一つずつニガテを潰す作業をしていきました.過去問題集の解説内容がほぼ完璧にわかるようになったら,合格ラインに到達しているのではないでしょうか.

ぎゃくに数理統計の問題集をゴリゴリ解いて鍛えることまでは要求されていないのかなと思います.(1級を受験する場合はやった方が良いと思います)

勉強・受験して良かったこと

合格したことによって,試験統計家としての審査基準の一つ(2級以上の合格)を満たしたことが一番大きなメリットかもしれません

また当時まだほとんど知らなかった機械学習の良い勉強になりました.

あとたくさんの問題を短時間で解く作業をしていたので,統計相談へのレスポンスが早くなりました.いろんな症例数設計の問題を3分程度で解けるようになるまで演習を繰り返しましたからね….

受かっても落ちても,準1級受験の勉強は実務系の統計のお仕事にダイレクトに役に立つと思います.これが一番,受験して良かったことだと思っています.

この記事が準1級の受験を考えている人に少しでも役に立ちましたら幸いです.

では👋

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