サンプルサイズ計算の例(Rのpwrパッケージ)
今回はRのpwrパッケージを用いて,具体例を一つみてみたいと思います.
75%の確率で表になる改造コインがあるとしましょう.
コインを何回か投げたあと,1標本比率検定を実行して,表の比率が通常のコイン(表の確率50%)と大幅に異なるかどうかを検討します.
p値が特定の有意水準(0.05)を下回った場合,通常のコインではないと判断します.
- 帰無仮説:表になる確率は50%(π= 0.5)
- 対立仮説:表になる確率は50%ではない(π≠ 0.5)
この検定で,対立仮説が導かれる確率,つまり,検出力が0.8(80%)と得るためには何回コインを投げる必要があるでしょうか.
この場合,以下のように打てばOKです.
#初めて使うときは,install.packages(“pwr”)を打ち込む必要があります.
必要なnが28.6…とあるので,29例あればいいとわかります.
念のためコードの中身を簡単に説明しますと,
- install.packages(“pwr”)でパッケージのインストール
- library(pwr)でpwrパッケージ起動
- p1,p2がそれぞれの確率
- sig.levelが有意水準
- powerが検出力
- alternativeは対立仮説の種類.今回は両側検定なので,two.sidedとしています.
また上記のコードの計算結果を可視化することもできて,
とさきほどの関数をp.outにまとめてから,plot(p.out)と実行してあげると,
という図も取得することができます.
万能とまではいかないですが,いろいろな検定・研究デザインに対応できますので,計算しなければいけないときは,Rのpwrパッケージのサイトも参考にしてもらえれば幸いです.