救外でコンサルトするときのテンプレ(研修医向け)
お忙しいところ夜分遅くに,失礼します
1件,コンサルトお願いしてもいいでしょうか
〇〇という背景の□歳の男性/女性が
△△(症状)で来院されました.
□□(採血や画像)の所見から,
XXXを疑っており,
☆☆(緊急Opeや入院など)が必要と考えております.
少なくとも研修医の主戦場である救急外来はこれでほとんど乗り切れます.
働きはじめの頃,コンサルトが下手だと何回も怒られて,自分なりに研究した結果,上記の汎用性の高いテンプレに落ち着きました.
一応解説しますと,
診療の流れとしては,SOAP (subjective, objective, assessment, plan)に沿って行うので,その順序に沿って行うといいです.
がしかし,最初に〇〇という背景,という要約を入れることで一気に引き締まります.
この〇〇という背景は幅広く応用可能です.
3つのパターンを紹介します.
パターン1 既往歴・既存症を入れる
- Afのある□歳女性が,右手がしびれる〜 (脳梗塞を疑っているときのコンサルト)
- 喫煙歴のある〜 (心イベントを疑っている時)
- 膵炎の既往がある□歳男性が背部痛で〜
- 中耳炎の既往のある患者が右耳痛で〜
王道ですね!
主訴や症状の後に既往歴を伝えたら,コンサルトがまどろっこしくなります.
パターン2 核になる,大事な情報を入れる
- 尿バルーン入れている□歳が,発熱で〜(尿路感染症を疑っているとき)
- CRP 12の□歳,小児が4日前からの発熱で〜
- 胆道系酵素が上がっている□歳女性が,腹痛で〜
- 虫垂炎かもと疑っている症例があるのですが〜
- 内科で入院かもしれないって思っている症例があるのですが〜
多くの上級医は,自分の担当になりそうか,ならなさそうか,が最初に興味があります.高齢者の発熱は原因が色々あるので,本当に自分の科の患者になるのか?って疑いながら聞いていると思います.
忙しい先生がほとんどなので,自分の科じゃなさそうなら,邪険にコンサルトを聞いたり怒ったりする方もいると思います(忙殺されているなか,関係ないことで呼び止めてほしくないですよね).
上記の例では,泌尿器や腎臓内科の先生たちに,あなたの科ですよ!ってメッセージを最初に伝えているわけです.
また小児についても救急外来の発熱は経過観察として後日外来に来てもらうパターンがほとんどなので,帰る理由を探しながらコンサルトを聞いていると思います.そこで,最初にこの人は返せません,というメッセージを最初に添える感じです.
最後のはもっと端的で,内科当直の先生にコンサルトするときに,これを入れておくと親身に聞いてくれることが多いです.
パターン3 困っていることを最初に入れる
- 鑑別が全然わからない□歳男性が腹痛で〜
- 喘息発作の処方で悩んでいる症例がありまして〜
- 心電図どう解釈したらいいか困っている人が一人いて,□歳男性なんですけど〜
- MRIで新規梗塞があるかちょっと自信が持てない患者がいます
どのような処置をしたらいいのか,どう診断したらいいのか,わからないことが沢山あると思います.わからないことは恥ずかしいことではありません.それ自体で怒られるべきことでもありません.
SOAPの途中で止まってしまっているときは,最初にどこでつまづいているのか明示するといいと思います.
番外編 とにかくやばいやつは一言で!
- CPAです
- 痙攣重積しています
- 心筋梗塞疑っています.胸痛です
- バイタル保てません
コンサルトの時間がもったいないやつです.テンプレを作ってはいけません.
診ていただけないでしょうか,とお願いしたら,駆けつけてくれます.
救急外来はストレスフルですし,忙しいゆえ怒られたりなど多いと思いますが,このテンプレや各パターンをうまく利用して,デキレジを目指して頑張ってください!