横断研究について
とある先生から,質問票を使った横断研究について質問があったので,せっかくなので,備忘録がわりに横断研究の研究デザインについて軽く触れたいと思います.
質問紙でデータを収集される場合,未回答バイアス(or志願者バイアス)というものが存在します.簡単に言うと,積極的に協力して回答をくださる方とそうでない方の間で生じる傾向の違いによる偏りのことです.古めの論文ですが,BMJの論文によると,これらのバイアスを気にしないようにするには80パーセント以上の回答率が望ましいとのことです.(割ってしまっても気にしなくていいと主張している論文も存在している感じなので,あくまで目安です)
ほかのポイントやシステムに関しては,役に立てそうなアドバイスは難しいです..すみません.Impact Factorは小さいですが,質問票を集めるときのポイントについてのQuick guideが書かれている論文がありましたので,載せておきます.
この論文では,
- 研究テーマを明確にすること
- 質問の方法は簡潔にすること
- 回答手段(電話調査,封筒など)ごとの長所短所
について言及されております.
横断研究で理想的なデザイン組むの難しいので,上記論文を参考にしつつ,実際のところ,ある程度は妥協しながらやるのも大事かもしれないです.医学系で大きなimpact factor狙うにはデータ数が相当必要な印象ですが,日本でどれだけデータを集められるか,そこも難しいところかもしれないですね.
一見,お手軽に見える質問票や横断研究,その難しさについて言及してみた投稿でした.
適宜加筆修正するかもしれないですが,今日はこの辺で.